「禅と生きる」
人生100年時代を働き抜く
大切なマインドセット

TOKYO REISM NIGHT “リズム的“ライフプランラボ<生き方> の様子1

新シリーズ全3回のうち第2回目となった今回のテーマは、『<生き方>「禅と生きる」人生100年時代を働き抜く大切なマインドセット』。米アップル社創業者、スティーブ・ジョブズ。この稀代のクリエーターに禅を指南した曹洞宗の「禅」の教え。「なぜ」心を調えるべきなのか、「どこ」に価値観を持つか、自分が生み出す、自らを傷つける「三つの毒」とは。曹洞宗総合研究センター専任研究員で、曹洞宗の教えを分かりやすく伝えるための企画・開発を手掛ける宇野全智さんに、いまを生きるビジネスパーソンに贈る「禅の教え」を語っていただきました。

坐禅を行う本当の意味とは

約800年前に発祥した曹洞宗の寺院は現在、全国で1万5000件以上存在します。坐禅の方法を統一し、指導をするなど、コンビニエンスストアでいえば商品開発、店長、新人研修の仕事を行っているようなものだと語る宇野さんは、曹洞宗の教えを分かりやすく伝えてきました。「皆さんは、お寺の修行と聞くと、何を思い浮かべますか?座禅の他にも断食や、滝に打たれるなど、厳しいイメージをもたれる方が多いと思います。しかし、本当の座禅とは厳しさとは逆で“リラックスをして自分を解き放つ”ことが目的なのです。人が生まれたときを“0(ゼロ)“の状態とすると、知識や経験を蓄え、足し算をしていくのが人生です。この足し算は楽しいかもしれないけれど、時々重たいものになるんです。着ているものをすべてとる、生まれた時の基点に戻るのが坐禅です。足し算したものをすべて忘れ、“0(ゼロ)”を丁寧に感じること。ここで生きている、という自覚を持つことが坐禅です。」と、本当の坐禅の意味を語りました。

そこで実際に全員で坐禅に挑戦することに。椅子に座ったままの坐禅を7分間行った参加者からは、様々な感想が飛び交いました。何も考えないことが難しい、という参加者に宇野さんはこのように答えました。「“考えない“ということは無の状態というわけではなく、思考をしていても受け流すということがポイントなんです。考えてしまったら、『今考え事をしちゃってるなぁ』と思えば良くて、考えちゃだめだ、なんて思わなくても良いんです。」とアドバイスをしました。7分間という時間を長く感じた参加者がほとんどであったことに対し、宇野さんは「日常から離れることに価値があることに気付いてほしいです。楽しい1日はあっという間に過ぎますよね。けれど早く流れる日だけが必ずしも良いとは限らないと思うんです。ゆっくりと進み、立ち止まるから、見えるものがあります。現代の人はみな、いつも忙しい日々を過ごしていますが、それでは多くのことを取りこぼしてしまっている。特に自分自身との対話をとりこぼしている人が多く、体調や自分の気持ちがおかしいことに気付けない。たまには坐禅をしてゆっくりした時間を過ごすことも大事なのではないでしょうか。」この言葉には参加者は納得の様子でした。

TOKYO REISM NIGHT “リズム的“ライフプランラボ<生き方> の様子2

3つの煩悩と3つの行動

警策で肩を打つ体験にほとんどの参加者が立候補するなど、会は和やかに進んでいきました。続けて宇野さんは参加者に、人は生まれながらにして悪か善か、と問いかけます。「仏教では人は生まれながらにして善であり、年をとるにつれて、貪り・怒り・愚かさを主とした煩悩によって心に穢れが増えていくと考えられています。『欲しい!』が止まらない貪り、欲望通りにならないことに対して感情を荒げる怒り、物事の道理を捻じ曲げる愚かさ。この3つの穢れをとることが仏教の修行です。そしてこの3つの煩悩と、『言っていること』『やっているこ』『考えていること』の3つ行動を考えることが大事なんです。今日1日の自分の行動が煩悩に影響されていないか、考えてみてください。この6つを整理していれば、善人になることは簡単なんです。そして自分を磨く一番の修行は仕事です。」

TOKYO REISM NIGHT “リズム的“ライフプランラボ<生き方> の様子2

現代社会をうまく生きていくには

この現代社会でうまく生きていくにはどうしたらよいのか、宇野さんはこのように語りました。「宗教とは道徳と異なり、『私』が主語です。私がどうすれば幸せに生きていけるのか、考えたときに、たまに立ち止まって坐禅してみることや、3つの煩悩を軸に考えてみることが禅の教えです。」さらに宇野さんはこのように続けます。「人は毎日、昨日の失敗に思いを馳せながら、明日への不安を抱えて生きています。ですが、今の私の時間にしか私の存在はないように、時間軸に行動を合わせていくことが自分を高めていくことに繋がると思います。『今日は何をするか、自分が今どうありたいのか』常に考えることが大切なのです。」

講義後には宇野さんを交えた懇親会が行われました。宇野さんは、懇親会のなかで煩悩と多くの場面で結び付けられる”お金”との向き合い方について質問されると、「お金は生々しいものなので、煩悩を取り除くことで、一度お金に対する考え方をクリアすることが大切です。お金と向き合うとより自分自身とお金の関係について考え直せるのではないでしょうか。」と、『禅』の考え方ならではの発想でお答えするなど、普段聞くことのない『禅』の教えに参加者はみな興味津々で、終始積極的に意見交換が活発に行われました。

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