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[はじめまして!] 私がロサンゼルスに恋した理由 その1:レコードショップ

宮原亜矢 
ロサンゼルス在住ライター。ラジオ、雑誌、テレビ、ウェブなど様々な媒体で洋楽(主にロック)を紹介。2000年代前半から毎年1−2回は欧米のフェスやコンサートに足を運び、フォトグラファーを兼任することも。2011年から拠点をロサンゼルスに移すと、米中西部出身のアメリカ人と砂漠で出逢って国際結婚、コンテンポラリーアートを紹介する業務にも着手するなど良い意味で想定外の人生を歩むことに。様々な面で文化の壁、言葉の壁にぶつかりながらもLife Is Beautifulを実感している。 
インスタグラム:https://www.instagram.com/ayarchyintheus/ 
ツイッター:@ayamiyahara

REISM STYLE|WORLD LIVINGをご愛読のみなさんはじめまして!ロサンゼルス(LA)在住の音楽ライター、宮原亜矢と申します。
LA生活は今年9年目。8年も過ごしていればそりゃあLA生活もエキスパートレベルでしょ?なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まだまだ分からないことだらけで壁や疑問に毎日ぶつかりまくっています。それでも、この場所で生活しているからこそ感じる魅力や発見をこれからこのページを通じてみなさんにお届けできることは光栄です。これからどうぞ宜しくお願いします!

さまざまな観光地の中でも人気の高い場所でもあるLAは、住むにもおススメの場所です。…まぁもちろんいろんな問題もありますけど、「住めば都」を低いハードルでクリアしてくれる場所ではないでしょうか。1年を通して良い意味で緩急のない温暖な気候なので、保湿ケアが日本と比べて150%は心がける必要があります。もちろん紫外線対策もSPF100の日焼け止めなんて冗談みたいな数値の日焼け止めを愛用するほど。そんなスーパードライな気候が原因で山火事も発生するけれどもそれさえなければ、湿度の低さは本当に快適ですし、大都市だけどどこか緑が多くて田舎臭さも残っているのでゆったりと生活できますし、NYと並んで多民族な土地ですが近年さらに多様化が進んでいますので、例えば私のようないい歳した女性でも気にせずにいつまでもガール気分…というかやんちゃでいられるのです。ネガティヴな部分に目を向ければもちろん様々ありますが、それを踏まえても私の“LA LOVE”は衰えることがありません。

私がLAに移住した最大の理由:音楽

さて、そんな私がロサンゼルスに拠点を移そうと思った理由ですが、ズバリ、「音楽」です。移住を決意してから実際に住み始めるまでの8年間、毎年のように通い続けたアメリカで、コンサートやフェスティバルなど、必ず音楽関連のイベントを組み合わせ続けてきた私。アメリカンロック、特にカリフォルニア出身のバンドやアーティストに影響を受けていた私に、当時担当していたラジオ番組(Bayfm『Dig The Rock』)のプロデューサーがLAの空気に実際に触れると音楽の聴こえ方が違うからと勧められ、初の海外をガイド付きのタイ旅行でウォームアップした後、思い切って空港でレンタカーし、プロデューサーに勧められたラジオ局の周波数に合わせたところ、私の大好きな曲が偶然流れたんです。そして、目の前に広がる広大な景色と青い空、そして乾いた空気の中で聴いたその曲が日本で聴く何倍も環境に馴染んでいたことを知ったのです。「これを知らずにリスナーに音楽を紹介していたのか」とショックを受けた私は、「いつかここに住んで、音楽が生まれた背景を知った上で紹介できるようになるんだ」と決意したのです。住むための準備や住んでからの発見や悲喜こもごもは追ってお話していけたらと思っています。

今回はそんな私が初めて足を運んだ時から現在に至るまで、私の心はもちろん、ローカルのコアな音楽ファンの心も掴み続けているアメーバミュージック(Amoeba Music)の魅力をたっぷりとご紹介します。

アメーバミュージックとは

1990年にカリフォルニア州バークリーに第1号店を構えたアメーバミュージック。やがてサンフランシスコやハリウッドにも店舗を拡大していき、カリフォルニアのミュージックシーンを支えてきました。アメーバミュージックがすごいのは、なんといってもそのスケールの大きさ!2001年にハリウッドのど真ん中にお目見えした現在の店舗はハリウッド観光のひとつの目玉として多くの人々から愛されています。

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ウェアハウスサイズで3階建てほどの高さのある店内を2階から俯瞰して撮影した1枚。このスペースで店内の30%位。広々とした空間が音楽と映画で満たされた、まるで、エンターテイメントの玉手箱やぁ状態です!

この広大な店舗には中央にステージがあって、超がつく大物から新進気鋭の若手まで、実に様々なアーティストが作品リリースタイミングのプロモーションとしてインストアライヴを繰り広げています。2011年には映画『インセプション』(2010年)や『(500)日のサマー』(2009年)のジョセフ・ゴードン=レヴィットが自身のレーベル、Hitrecordのイベントで詩の朗読を披露していました。また、2006年にはNYブルックリン出身の人気インディーロックバンド、TV on the Radioが同店舗で行ったインストアライヴを『Live at Amoeba Music』として2007年にリリースしたこともあります。

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ポール・マッカートニー(写真はamoeba.comからの引用)、スヌープ・ドッグ、ラナ・デル・レイらそうそうたる面々もライヴやファンミーティングを行ったステージ。普段彼らが立つステージとは段違いに狭い。ライヴがない時にはカゴに入ったアナログレコードが陳列されている。

音楽と映画が切っても切り離せないように、ミュージックという店舗名が付いていますが、映画DVDやBlu-ray、そしてポスターも充実しています。近頃のアナログレコード人気に伴いアナログレコードコーナーが拡大したり、懐かしのカセットテープも沢山取り揃えていますが、一方でCD販売不振によりCDコーナーが縮小していたり、もっといえば音楽をサブスクリプションで聴く人達が増えてきたことで弱まる売り上げを補填するかのようにTシャツ売り場がかつてのCD売り場をどんどん浸食しているのも時代の流れを感じさせます。

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お店の中央部分に陳列されたTシャツたち。ほんの数年前まではこのスペースにもCDがあった。しかしさすがレコードショップ。陳列が音楽ジャンルで分けられています。

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かつてはCDを陳列するのに使っていたプラスティックケースをステッカーやパッチの陳列に使用。

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CD陳列コーナーの上にはかつてCDをジャケットを平置きしてオススメの作品を分かりやすく表示していましたが、ステッカーやパッチ売り場に関してはこうしてピンバッジを販売するように。お店の人の話では最近ピンバッジが好評とのこと。たしかにかわいくて集めたくなる!

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お店の人の話では最近パッチやピンバッジが好評とのこと。たしかにかわいくて集めたくなる!はじめの頃はレジ台の上で展開されていた程度だったと記憶しているがラック1台分で展開するほどの人気に。

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お店のオリジナルロゴがデザインされたグッズも人気。店名にちなんでアメーバモチーフがかわいい。アメリカでお土産物屋さんが少なくて何を買っていこうか迷うこともありますが、音楽が好きな人には迷わずここのグッズを選んじゃいます。ドライヴしていてこのお店のナンバープレートカバーをつけた車を見かけると思わず笑みがこぼれてしまいます。

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アナログレコード人気に伴い、ターンテーブルも人気というよりもAV機器のほとんどがターンテーブル。レトロなものが若者に人気なので、昔懐かしいカセットテープもドンドン販売面積を広げている。

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壁面に飾られた圧巻のポスター、アナログレコード、書籍やマガジンコーナー、2階には映画のブルーレイやDVDなど、広大な店内には様々なアイテムが揃うけれども主役は今もCD!

LAの人々に衝撃を与えたニュース:アメーバ、歴史に幕を閉じる!?

時代の流れに伴いCD売り場面積の縮小や非CDグッズの展開を積極的に行ってはいるものの、こうしてハリウッドの中心地に1ブロックもの広大な店舗を構え続けるのはレコード店や軒並み閉店の憂き目に遭っている中、素晴らしいことだと思います。しかし、そんなアメーバにも時代の流れが…2019年6月25日、ロサンゼルス最大の新聞、Los Angeles Timesがアメーバミュージックの建物が取り壊されると報道し、私のみならずLAの音楽愛好家にショックを与えました。閉店してしまうのか?と思いましたが、あくまで今の場所からの移転。しかし…2001年から当たり前のようにあったこのアメーバの景色がどこにでもあるようなモダンな商業複合施設に変わってしまうことは、ロサンゼルスのカルチャーの灯火が消えてしまうようで悲しさが募ります。

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アメーバミュージックのビルが取り壊されて26階建ての複合施設建設の予定を報じるLos Angeles Timeの記事。

この報道があってから3カ月半ほどが経ち、お店のスタッフに移転に関する情報のアップデートがないか訊ねてみました。お店のスタッフによれば移転候補の地の目処はたっているようですが、現在の店舗もまだあと1年は営業する予定だと教えてくれました。そして新店舗の大きさも今と変わらないもので考えているとも。

この先も目が離せないアメーバミュージック・ハリウッドの今後。LAへ一度足を運んでみたいと思っている音楽や映画ファンのあなたはぜひ早目に足を運ぶことをオススメします。

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