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現在RESIMの物件は、「BOX」「WALL」「WRAP」「FLOAT」と呼ばれる4つのプロトタイプを基に創られている。BOXは箱。WALLは壁。WRAPは包む。FLOATは浮かぶ。実際に見ると、その名前が何を表しているのかが空間全体から伝わってきて思わずにやりとしてしまうのだけれど…!果たしてどういう発想でこのユニークなプロトタイプが誕生したのだろうか?
REISM REISMのプロトタイプは、“ここに、こんな素敵なデザインがありますよ”という風に創られたのではなくて、オープンフィールドからの発想ですね。今までの住宅って、空間の造りごとに、ここは寝室、ここはリビングと用途があらかじめ限定されているか、逆に1ルームのように全てが全部一緒というものがあって…。 田島 ええ。いわゆる1ルームというのは、玄関から入ってすぐに浴室があるので、廊下が着替え場であり、キッチンでもあったり。ご飯を食べる所が寝室で、テレビを見る所だったり…。これでは生活の区分がつかないし、基本的には住みやすいものではないですよね。一人暮らしならまだしも、2人では非常に住みにくいプラン。なので、1ルームの気持ち悪さを解消しつつ、暮らしの距離感を保てるような仕掛けをしながら、細かく固定化された感じをもう少しルーズにできないかな?と。 じゃあ、固定化しなきゃいけないのはどこまでだろうと考えると“水まわり”です。バスルームとトイレ、これはある程度プライバシーがあるし、収納もある程度隠さなくてはいけない。で、キッチンはもう少しオープンでもいいけれど、玄関の隣にはしたくない。そして、ある程度の曖昧さと自由さを確保できる空間をつくるにはどうしたらいいかと。 そういったものを、どう料理していくか?という方法論として、プロトタイプという発想が出てできた。気持ちのいいオープンフィールドをどう創るか?というのが4つのプロトタイプのタイポロジーなんです。
水まわりのような固定化しなくてはいけない所と、自由さを確保できる空間(オープンフィールド)。さまざまな組み合わせがありそうだが、どうやって「4つ」のプロトタイプが完成したのだろう? REISM 具体的には、東京都内の35〜55?位のマンションの形状を全部洗いだして、スケルトン状態にした形状で分類しました。極力多くの戸数を増やす為なのか、いびつな形をしたものも多かったのですが…、面白いことにある程度タイプが絞られましたね。 ![]() 田島 それをベースに、空間の切り方で当て込めていくという考え方です。ちょっと長方形、比較的整った正方形、細長いタイプ。それから更にプラスαで、入り口が横にくるか、端にくるか、真ん中にくるか。大体こんなパターンで、既存のものは集約できる訳なんです。 例えばある物件の場合…元の1ルームでは、料理している人の後ろから湯上がりの人がでてきそうな中途半端な空間になっている。それを改善しつつ明快な空間構成にしたい…。それで、水まわりを、全部箱に入れちゃおう!と。その箱でスポーンって空間を区切ると、四方に広い所と狭い所ができて、ギャラリーのように回遊できるんです。壁で区切られていないから、2人で住んでも閉じ込められた感じはしないですよ。で、ちょっと距離をとりたい時には、ぐるっと回ると出会って感動がある!みたいな(笑)。これがBOXの場合。 一方、「WRAP」の場合は、キッチンや水まわりが端にあったり、配管や柱などがでこぼこしていてどうやってもキレイにならない空間を、すっと壁で包んじゃおうと。「WALL」は、細長い空間を逆手にとって、壁全体を収納できる陳列棚と水まわりに。「Float」は、BOX(水まわり)の部分を浮かせてみました。そうすることによって、部屋が広々と見渡せるようになる。洗面所もあえて部屋として区切らなかったので、他には何もありません。部屋に入ったら、全体が見渡せて「ドーン」と拡がる!みたいな(笑)。その触発する空間作用がトリガーになる…。
物件の洗い出し・集約から、プロトタイプという斬新な手法で生み出されたREISM空間。水まわりを浮かせてしまう(Float)なんて、何だかマジシャンのようですが? 田島 バスルームを浮かせる設計は初めてですが、そもそもユニットバスって浮いているものなんですよ(笑)。配管があるので、通常は床の位置を落としているんです。だからある意味では自然な姿。普通だったら隠したいところなんですけど、今回のコンセプトでは、足が見えてもいいんじゃないかと。
REISM その浮かせた隙間から、ちゃんと向こう側が見えるんですよ(笑)。風が通って気持ちがいいし、間接照明を入れていますが、昼間は天然光がサーッと入ってくるんです。どのプロトタイプも、とても特徴的でシンプルなものになりました。 田島 プロトタイプとしては、分かりやすさと汎用性が大事だなと。ここをもうちょっと…って、やろうと思うといくらでもできてしまうけれど、それをすると“特殊解”になって、プロトタイプにはならない。そういう意味で、エレメントが単純で、しかも多くのことを解決しているって状態はどうやったら出来るか?というのが発想の源。いろいろな条件があって、バーって書き出すと100項目位になっちゃうのを、線1本書いたら“あっ、できた”みたいなシンプルなデザインにできるかできないか…そういうものがもとですね。 ただ、シンプルなだけでも自由でない。例えば、1930年頃にユニバーサル空間っていう概念があって。とにかく大きな空間に、柱だけが並んでいて何もない。だから自由じゃないかってその当時は言っていたんだけど。その概念がそのままオフィスビルという形式になっていくのですが、何もなくて自由に家具が置けるけど個性がないし、使い手を触発しない。逆に中途半端な位置に邪魔な柱があって壁のある空間があったら、普通だったらこれって一体どうなんだい?邪魔じゃない?っていう議論になりがちですが、実際に人が住むと、みんな創意工夫をして、ある人は鏡を置いてみたり自転車を掛けてみたりと勝手に開発し始める訳なんですね。
REISM 同じ広さの空間であっても、きっかけになるものがあると創意工夫次第で居心地のいい空間は創れる訳ですね。REISMは、自由を起爆剤として、自分で考える余地のある空間。シンプルだからこそ、自分の色を加えて自由に空間を楽しんでくれたらと。オープンフィールドを自由に遊んでもらうことで、新しいライフスタイルを創りだしてもらえたら嬉しいですね。 つづく |
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